特定非営利活動法人 どんぐりの家

震災から5年の歳月を経て『どんぐりの家』の「今」

登米市の南方町と迫町新田で、
高齢者のデイサービスと障害児の児童デイサービスを行っていた「どんぐりの家」さん。

東日本大震災により、新田の施設は、大きな被害を受け、閉鎖。
そのための1,185万円の初期改修費の負債が残りました。
主たる活動拠点であった南方町の施設は被害が少なかったため、
震災直後から、被害にあった方に宿泊場所の提供や、近所で炊き出しを行うなど、
地域のために復旧・救済活動に尽力されました。

当初、新田に代わる施設を、南方の施設敷地内に新築しようという計画もありましたが、
早期施設再開を待っている利用者のことを考え、南方の施設を大きく建替えることにしました。
建替えにより、利用者数を倍近く受け入れることができるようになります。

「復興みやぎ」で寄付目標額を1,660万円にかかげ、
資金を工面しながら、支援活動と施設の改修工事を並行して活動する日々が続きます。

どんぐりの家の活動に共感する個人の方や、
株式会社デンソー、関西日米婦人会、日本フィランソロピー協会などの支援団体から
寄付金、助成金を得て、施設の再建費用をまかなうことができました。

2012年4月に、施設が完成し、どんぐりの家は新しく生まれ変わりました。
「皆さんの温かいご支援には、感謝の言葉しかありません」と代表の石川さんは言います。

本事業のほかにも、公益財団法人みずほ教育福祉財団から寄付を受けた電気自動車を活用して、
地域の高齢者や仮設住宅の皆さんの安否を確認しながら、配食サービスも行っています。
利用者の皆さんと作った野菜や、地元の皆さんから届く野菜を使った手作りお弁当は大変好評を得ています。

これから本格的に取り組むという、
中高年男性の孤立防止と交流が苦手な男性利用者を応援したいという思いから始まった
「ちょいワルおやじの会」をはじめ、
恒例となっている、近所の幼稚園や小学校の子ども達との交流会など、
地域に溶け込み、無くてはならない存在になっているどんぐりの家さん。

「これからも皆さんの期待に応えられるよう、地域に寄り添う活動を続けていきます」
この石川さんの地域に根ざしたまっすぐな言動が、多くの共感を得る理由だと感じずにはいられません。


2013.4.5 震災から2年

震災以降、ディサービス事業の利用者が増えており、施設での受入人数を
増やすことになりました。

「震災を経験して、1人でいるのではなく、外に出て誰かと話をしたり、
地域でつながる大切さという、埋もれていた課題が震災後明らかになったのでは」と石川さん。

どんぐりの家では、高齢者のデイサービスと障害児の児童ディサービスにくわえ、地域の高齢者のみなさんへむけた配食サービスを行っています。
地元野菜を使い、スタッフが心をこめた手作りお弁当を、スタッフが声掛け、安否確認をしながら自宅にお届けしています。

今後の展開としては、登米市内の仮設住宅に住む方々に、
この配食事業に参加してもらい、雇用を生み出せればと考えています。

そして、障がい児支援部門に、地元高校生が春休みを利用してボランティアで関わりたいと、4日間活動しました。

「これからを担っていく地域の若い人に、活動に参加してもらえることは、とても重要ですね。
 私たち自身も、もっと活動を知ってもらい、参加していただけるよう、声掛けしていきたいです」
と、代表の石川さんは話してくれました。


株式会社デンソー様から支援いただきました!

最近、登米市の住民の要望に応える形で、配食サービスを始めているどんぐりの家。

そのどんぐりの家に、株式会社デンソーの『はあとふる基金』からの支援がありました。
支援額は上半期分20万円、下半期分10万円、合わせて30万円です。
『はあとふる基金』からは今後10年にわたっての継続支援があるそうです。

また、株式会社デンソーOBからなる『弥栄寿会』からも約2万円の寄付を頂いております。

今後ともどんぐりの家を宜しくお願い申し上げます。


2012.5.28 株式会社デンソー「はあとふる基金」の贈呈式

どんぐりの家は、もともとあったディサービス施設「どんぐりの家南方」内に、新たな施設を建て、活動を行っています。
新たな施設開所にともなって地域の利用者に加え、仮設住宅の方も利用しています。

ディサービス事業だけでなく、配食サービスも行っており、今後は迫地区や南方地区などニーズに合わせ
展開を広げていく予定です。

※株式会社デンソー「はあとふる基金」の贈呈式でした。
デンソーはあとふる基金の詳細は、こちら→http://www.denso.co.jp/ja/csr/social/social/member/index.html

今回は、東日本大震災で被災した団体を今後も継続して支援していく取組みとして、2011年10月から開始。2011年度から10年間デンソーおよびグループ社員の寄付金で運用する「はあとふる基金」から年間積立金のおよそ半額を寄付することを決定。
寄付先は、震災の遺児や孤児の就学支援団体や、障がい者支援を行っている団体です。


2012.4.4 施設完成!

東日本大震災で被災し閉館を余儀なくされた施設「どんぐりの家新田」。
その為、デイサービス施設「どんぐりの家南方」を大きく建替え利用者の受入を増やすことにしました。
施設は去年の12月から着工し、今年3月末に完成しました。

まだ引っ越しは行っていませんが、とても広々とした空間で40名の利用者さんが過ごしても余裕があるように設計されました。

「助成金や寄付金は施設の再建費用として使用することが出来、大変助かりました。」と代表の石川さん。

施設の再建で使用した助成金や補助金
・JCB助成金(日本フィランソロピー協会):3,000,000円
・関西日米婦人会               : 200,000円
・その他個人からの寄付金


2011.12.16 上棟式

新築工事中のどんぐりの家が上棟式を行いました!

餅まきも行い、利用者や職員、近所の人など大勢の人が参加していました。

【餅まきの様子】

「完成するのが楽しみです。」と利用者も職員も口をそろえて言っています。
完成は来年の3月を予定しています。


2011.12.8 新築工事着工中!

 どんぐりの家では、現在施設の建築に着手しています。
解体から着工まで時間がかかってしまいましたが、無事着工し現在、基礎工事中です。今年中の完成とまではいきませんでしたが、今年中に上棟する予定です。

【使用不可になった施設の代わりに施設を拡大し建築中】

資金面では、行政から建築費用の1/4が補助される「老人福祉施設等災害復旧支援事業」の適用はできませんでした。また、他県の団体から視察などはありますが、海岸沿いではないということもあり、なかなか支援の手が受けられないのが現状です。
 登米市では南三陸町からの避難者が多く住んでいることもあり、今後も高齢者施設のニーズは高まっていきます。地域の方々から必要とされているどんぐりの家は今後も様々な形で地域に貢献していきます。


2011.09.05 施設建設に向けて

 どんぐりの家では、登米市迫町新田の施設が地震により閉鎖した為、新たに施設再開へ向け動き出しています。

 当初は登米市南方にある施設の敷地内に新築をしようと計画していましたが、農地だったため、農地の転用に時間がかかることがわりました。施設再開を待っている利用者がいる以上、多くの時間を掛けられません。その為、南方の施設を新たに大きく建替える方法を選びました。建替えにより、28名が定員のデイサービス施設ですが、45名ほどが利用できる施設になります。

 現在は、仮施設の改修工事を終え引っ越しをし、施設建替えの為に解体工事を行っています。


【仮施設内の状況】


【解体工事中の施設内】

 解体工事が終わり次第、新築工事を行い、今年中の完成を目指しています。
 3.11の地震被害による施設工事ですが、公的資金も助成金もありません。すべて法人の持ち出しと借入により建てるしかありません。

 「利用者さんのことを第一に考えて、より良い環境を整えるため、今年中の完成を目指しています。」と代表の石川志穂子さん。


【左から事務の芳賀さんと代表の石川さん】


2011.07.01 サロン始めました

震災直後から、地震により家に住めなくなった地域の方数名を施設に宿泊さたり、近所の方に炊き出しを継続して行うなど、復旧・支援活動に尽力しました。また、津波の被害があった志津川や石巻の避難所に食料や衣類などの物資を届ける活動も、連携しているNPOと協力して取り組みました。

登米市には、南三陸町から避難してきた方々が、6月末でも460人います。この方々が一時でもリラックスした時間を持てるようにと、南方町に「おちゃっこサロン」を開設しました。お昼をはさんだ2~3時間、週に数日開設しています。

この建物は、震災前に地域のみんなで、配食サービスや子育て支援をしようと借りる段取りになっていたところでした。

震災で閉鎖してしまった『どんぐりの家新田』の児童ディサービスに通う子どもたちのとりあえずの場所となっています。

何とか、新しい施設の開設に向けて、動き出そうとしています。