震災から5年の歳月を経て『なごみ』の「今」
高齢者が身心にどんな障害があっても、
人間としての尊厳と人権、
市民的な自由と普通の生活が保障される、
やさしい社会実現を目指し活動している「NPO法人なごみ」さん。
宮城県気仙沼市、岩手県一関市で、介護施設9つを運営していましたが、
東日本大震災で、気仙沼市本吉にあるグループホーム2棟、
デイサービス施設1棟、ケアプランセンター1棟の計4棟が
津波により流出しました。
大きな被害を受けながらも、
利用者を想い、新たな施設建築にいち早く取り組みます。
資金については、自分達で工面しながら、
県の補助金や民間の助成金、
みなさんの温かい寄付金などの支えも活用しました。
着々と施設・設備を整えることに奮闘し、
2016年3月時点で、
宮城県気仙沼市と岩手県に、
グループホーム、デイサービス、
ケアプランセンター(居宅介護支援事業所)、
小規模多機能ホーム、ケアハウス合わせて14の施設を建て、
地域に根差した活動を続けています。
地域から多くの信頼を得て、
「なごみ」の関連施設の入居を待つ人が、
現在60名以上もいると言います。
資金面だけでなく、人手不足も大きな問題です。
気仙沼地区は人口が減ったことで、労働人口も減少しているため、
スタッフの確保も難しいと、代表の木村祐二さん。
そんな中、喜ばしい話題もあります。
ここ数年、スタッフが子どもを授かる機会に恵まれているそうです。
産休で人手が不足するのは大変なことですが、
「地域の人口が減るなか、身近なところで、
新しい命が誕生していることが嬉しい。
安心して子育てにも取り組めるような地域をつくっていきたい」
と、これからの抱負もお話しいただきました。
なごみさんの目指す高齢者にとって「やさしい社会の実現」は
これからも地域に寄り添い、続いていきます。