震災から5年の歳月を経て『みどり会』の「今」
「みどり会」さんは、
仙台市内でグループホーム2つと、
小規模地域活動センター2つを運営する
精神障がい者の自立支援団体です。
東日本大震災で仙台市若林区荒浜にあった
小規模地域活動センター「みどり工房若林」は、
基礎だけを残し全壊。
備品や作業場だった農地も失い、大きな被害を受けました。
工房の再生を心待ちにする方々のため、
作業所を間借りし活動を続けながら、
「みんなが集まれる工房を早く見つけたい」という一心で
利用者・職員が一丸となり物件探しを行いました。
震災直後であった上、不動産業者の障がい者施設への偏見が強く、
希望に沿った拠点を見つけることは非常に難しいことだったと、
施設長の今野さんは当時を振り返ります。
ようやく現在の拠点となるビルを見つけ、
2011年6月に新施設で活動を再開しました。
農地で行っていた作業を、
パンチングレザー・さをり織りなどの手芸に切り替え、
利用者の作業基盤もようやく確立しつつあります。
『復興みやぎ』で、掲げた1千万円の寄付目標額は、
会員や個人、支援団体、行政などからの寄付や助成により達成しました。
しかし「現在も続く雨漏りなどの老朽化による弊害が続いており、
現在も修繕の見通しは無い状態で、状況が芳しくない」と今野さん。
「自分たちの居場所づくりがまず第一優先と考え、
仮の場として使用することを決めましたが、
このビルでいつまで過ごせるのか、老朽化が悪化した場合、
またニーズに沿った物件が見つけられるのか日々心配が絶えません。
現在も修繕の見通しは無い状態です。
移転費用等捻出のために寄附など運営全体を考え、
知恵を絞っていますが、まだまだ課題は山積みです」
と続けます。
しかしながら、この5年の間に、
たくさんの皆さんのお力添えのおかげで、運営基盤はできつつあります。
「たくさんの温かいご支援いただき、ここまで来ることができました。
心より感謝しています。
利用者・職員一丸となってきたこの5年を足掛かりに、
さらなる発展を目指していきます」
と力強いお言葉を頂戴しました。
写真の製品は移転してから作り始めた商品のなかでも人気のある、
鍵盤をモチーフにしたペンケース「‘ショパンチ’」です。
応援下さる皆さんに、御礼の気持ちを込めました。
工房がここまで立ち直るまでに、歩んできた調べ、
そして応援者の皆さんと、
今後もメロディーを一緒に奏でていけたら、
という想いを込めています。
写真にあるタグの「funfan」は
工房全体の商品のブランド名・コンセプトです。
お客様に「楽しさの風をおくる」という気持ちで日々励んでおります。
☆みどり工房若林の日々の活動はFacebook
をご覧ください!
2011.11.16みどり工房若林開所セレモニー
2011.09.20 寄付金の贈呈
2011.08.11 再開後2か月が経過して
NPO法人みどり会は3.11の震災で、仙台市若林区荒浜にある、障害者の方が通う小規模地域活動センター「みどり工房若林」が津波で流失しました。
その後6月7日から新たに若林区若林に施設を借り活動できるようになりました。以前とおなじような活動はまだできていませんが、なんとか再開から2か月が経過し、落ち着きを取り戻しつつあります。
しかし、毎年作業していた900坪の畑はもうありません。メンバーもスタッフもなんとかもう一度農作業ができる場所を確保したいと考えていますが、なかなか場所は見つかりません。施設長の今野さんは再開後も新たな作業場を探し、とても忙しく、休む暇もなかなかありません。
それでも、「メンバーやスタッフの笑顔が一番の薬になる。」と笑顔で言っています。
みどり工房若林では現在様々なものを作成し、販売も行っています。
【人気がある本のカバーやさをり織りのコースターなどの完成品】
【施設長の今野さんとスタッフの霜山さんはとても明るく、まるで家族のようにメンバーと過ごしていました。】
2011.07.06 再開
工房の再生を心待ちにする方々に答えるため、理事長の尾崎正光さんを中心に、早い段階で再開の意思を固め、3月26日には「みどり工房若林」の再建委員会を立ち上げ復興に向けて動き出しました。
4月中旬から「太白区障害者福祉センター」を間借りして活動を再開し、新工房の物件探し、契約、準備工事、そして補助金の申請など、2名になったスタッフは、精力的に活動し、6月7日から、新しい施設で「みどり工房若林」を再開することができました。
施設の借料や内装工事費、什器備品等の購入費に関しては、その一部を団体や個人から頂いた400万円を超える助成金や寄附で賄いえました。
震災直後、まだライフラインが復旧しない中で支援を必要とする障害者、それをサポートするスタッフ、精神障害への無知から起こる差別や偏見、精神的なケアを必要とする大勢の被災者など、精神障害者を取り巻く様々な課題が浮き彫りになりました。
これからは、障害の当事者や家族からの相談支援事業の拠点作りや、主に精神や重複する障害を持つ様々な当事者をサポートするケアホームの運営を目指して復興の道を歩きます。