地域に寄り添い活動再開/ささえ愛山元
『地域住民で支える人も支えられる人も、愛をもってともに支え合いたい』という想いから名づけられたNPO法人住民互助福祉団体ささえ愛山元(以下、ささえ愛山元)は1994年から宮城県山元町で2つの施設を運営し、介護保険事業と介護保険外事業を行ってきました。
2011年の津波ではその2施設のうち、デイホーム施設が流失、デイサービス施設が1階まで浸水しました。施設だけでなく、3名のスタッフ、それに中村怜子理事長の夫も犠牲となりました。
1階が浸水したデイサービス施設の改修で、自前の施設が使えなかった2011年10月までは、県内の被災地障がい者支援センターみやぎの県南支部の運営を担い、亘理町の元歯科医院跡地を拠点に地域の障がい者などへ病院送迎、物資支援、サロンを行ないました。また、被災地視察者を積極的に受け入れ案内しました。仮設住宅へ出向いて開催してきたパラソル喫茶も好評でした。
施設が使えるようになってからも傾聴スタイル・パラソル喫茶は引き続き継続し、これまで計20回に達しています。
現在は仮設住宅やみなし仮設の住民に手しごと品の材料やミシン等などを提供してきています。
流失した施設があった場所は危険区域に指定され新たな建築ができません。そのため山元町の「介護基盤復興まちづくり整備事業」からの建築費をもとに高台に移転します。新家屋は4月中旬に竣工し移転の予定です。再建時には手しごと品の製作のための場所も設けられれば、と考えているところです。
「震災で失ったものは計り知れませんが、その後多くの方から支援を頂きました。この縁が今後の私たちの財産になっていくと思います。時間をかけて、今まで以上に住民相互で支え合える地域を作っていきたいです」と中村さんは話しました。