やることがある悦び/みどり会
NPO法人みどり会(以下、みどり会)は仙台市で精神障がい者の自立支援をしている団体です。仙台市内に四か所の施設を構えています。
震災ではその施設のうちの1つ、「みどり工房若林」が全壊、900坪の畑も使えなくなってしまいました。
しかし、工房の再生を心待ちにする人々がいます。理事長の尾崎正光さんは早い段階での再開を目指し、再建委員会を組織。その年の6月には新しい施設で「みどり工房若林」を再開することができました。
再開後の様子を「みどり工房若林」施設長今野真理子さんはこう話します。「以前と勝手が違い、当初はメンバーにも戸惑いが見られましたが、それぞれ自分のペースを掴んでいきました。震災後は『生きているだけ丸もうけ』と作業や生活への意識も変わりました」
工房ではさをり織りやパンチングレザー、ビーズなどを使った製品作りに取り組んでいます。震災では在庫を全て失いました。今では作っては売れ、の状況でやはり在庫がすぐになくなります。
震災から2年が経過しますが、未だ現実感を持てないと今野さんは言います。「あの日から時間が止まっている感覚があります。しかし、工房は施設としての機能も取り戻しつつ、少しずつ基盤ができてきました。販路に関しては、震災でご縁がなくなった箇所もあります。ただ、皆さまの支援のお蔭で利用者も作業・工房へ通うモチベーションを保てました。皆さまの応援は大変ありがたいものでした」とこの2年間を振り返りました。
震災からの再開当時、選択肢もないまま現在の物件に辿りついた経緯があります。そのため利用者の個人スペース確保が難しい点が課題でしたが、この度同ビル隣室を契約しました。少しずつ復興への歩みが様々な形で見えてきています。