育児の駆け込み寺目指して/みやぎ子ども養育支援の会
石巻市の住職木村孝禅さんを代表として2011年11月に設立されたNPO法人みやぎ子ども養育支援の会(以下、みやぎ子ども養育支援の会)は、震災後の石巻で、被災児童と家族、震災遺児・障がい児支援を行っている団体です。
震災後、代表の木村さんは個人的に物資の支援活動をする傍ら、被災地を巡って傾聴を行う移動式喫茶店「カフェ・デ・モンク」の一員でもありました。この移動式喫茶店での傾聴活動を通じて、木村さんは人知れず震災孤児・遺児についての悩みを抱える人々が多くいることを知り、現在の法人設立へ動き出したのでした。
以降、みやぎ子ども養育支援の会としてカフェ開催時に子ども支援を実施しながら、昨年4月にはNPO法人化、6月にはファミリーホーム「子どもの家きむら」の開設にも至りました。ファミリーホームでは、今、木村さんの家族と共に二人の里子が暮らしています。木村さんは「里子を迎えるに当たっては苦労も多いが、その分、ここで出会えた縁や責任感から、かけがえないのない喜びを感じる」と言います。
7月からはサロン活動にも力を入れ始めました。サロンでは、200円の参加費でお菓子と飲み物が付き、リラックスしながら子育て中の家族と地域住民同士が交流を深められます。また、仮設や住んでいる地域で自由に遊ばせることができない悩みを持つ障がい児支援もスタートさせました。
今は定期的に市の施設を借りてのサロンの開催も、ゆくゆくは緊急時でも対応できるよう常設サロンの設置を目指しているみやぎ子ども養育支援の会。昨年の12月には前述したファミリーホームも増築し、職員体制も整え、本格的にスタートしました。その活動は、将来の石巻の復興・福祉を見据えたものです。