町を元気にするにはまず子どもから/石巻スポーツ振興サポートセンター
NPO法人石巻スポーツ振興サポートセンター(以下、石巻スポーツ振興サポートセンター)は「いつでも、どこでも、だれとでも」スポーツを楽しめる街づくりを目指し、設立されました。
震災時、石巻スポーツ振興サポートセンターの事務所がある北上川沿いの中央商店街には船や車がなだれ込み、石巻市門脇にあった理事長の松村善行さんの自宅は流されました。
このような状況でも松村さんは現地のNPOとしての役目を果たそうとします。泥かき、がれき撤去、情報発信といったボランティア活動に励みました。
4月からは『わんぱく復興プロジェクト』『わんぱくスマイルプロジェクト』を開始。これらのプロジェクトでは、被災した子どもたちにスポーツ用品を寄贈したり、スポーツ教室を開催したりしています。「私も家を流されているからわかりますが、被災者はすべてを失っています。そのなかで子どもたちは、大切なおもちゃやスポーツ用品をなくしていても周囲の状況を理解し、わがままを言いません」と松村さん。そんな子どもたちに思う存分体を動かして欲しいとの思いから始めました。
また、『まちなか復興プロジェクト』として、震災前に行っていたグルメウォーキングを「被災地石巻復興ウォーキング」という形に変えたり、津波の被害を被った石巻初の百貨店「観慶丸商店」(昭和初期に建造)の保存運動を行ったりもしています。
松村さんはこう言います。
「まちづくりは自らが主体性を持って取り組まなければいけない」
その志は復興支援でも同じ。もらうだけ、あげるだけの支援ではなく、被災地全体の復興につながるプログラムを企画実行していくようにしています。スポーツを通じて子どもたちを元気にし、その笑顔や笑い声が今度は復興の道を歩む石巻の下支えとなっていきます。