障がい児支援のため石巻へ乗り出す/みんなの教室
NPO法人みんなの教室(以下、みんなの教室)は、大崎市田尻で発達障がい児を対象とするフリースクールや相談などの事業を行う団体です。
フリースクールは個別指導が特徴で、教科学習と作業学習(野菜づくりやクラフトづくりなど)を組み合わせ、個人のニーズに合わせたカリキュラムを組んでいます。現在、大崎の教室では8人の小・中・高校生が学んでいます。
みんなの教室は震災後、交流のあった石巻市の発達障がい児支援団体「石巻広域アドベンチャークラブ」と協働で「みんなの教室・石巻」を立ち上げることにしました。この団体は震災で拠点が壊滅し、現在は活動を休止しています。
石巻はとくに震災被害の大きかった地域です。発達障がい児やその家族は避難所や仮設住宅で、周囲に気を遣ってストレスを抱えながら暮らしていました。みんなの教室はそんな石巻の子どもたちを支援する必要があると思ったのです。
まず、石巻市前谷地に土地と畑を借り、トレーラーハウスを設置。個々の子どもの興味に合わせた指導ができるよう、パソコンや楽器、絵の具などの教材を助成金で購入しました。また、トレーラーハウスの裏の畑では野菜も育てています。
今後は市内全域を対象に登録児を増やし、個別指導に力を力を入れたいと考えています。ただし、そのためには人手が足りません。そこで元教師などをボランティア指導員として増員する予定です。
「石巻にはまだ、家族が子どもの障がいを隠そうとする風潮があります。ですが、その子の個性に合わせて指導をすれば将来自立できるということを知ってもらいたいです」と理事長の青木彰さん。
教室の目標は子どもたちが将来自立できるよう指導すること。そのためにも地域に根づいた末長い活動をしていこうと決めています。