支援の枠超えて共生を/とめタウンネット
昨年11月23日、登米市迫町に「心家( ココロカ)」という居酒屋がオープンしました。
登米市には南三陸の被災者が避難してきている、およそ350戸の南方仮設住宅があります。震災以降、登米の人々は南三陸から来た人々とどう協調できるかを模索していました。一方で、南方仮設の人々からもコミュニケーションスペースが欲しいという声が上がっていました。南三陸からきた方々にとっては、登米の施設は気軽に使えるものではなく、仮設内にある集会所では登米市民との交流が図りにくいものでした。
そこで、登米のまちづくりを中心に活動しているNPO法人とめタウンネット( 以下、とめタウンネット)、商店主らを中心に地域活性化を目指す大網商工振興会、そして登米市の3者は、共同で企画・運営を行い、居酒屋型コミュニケーションスペース「心家」を設立したのでした。
「心家」は築50年の古民家をリフォームしたものです。リフォーム費の見積もりは、1000万円にも登りましたが、宮城県からの補助金のほか、のべ500人を超えるボランティアの助けを借りることで、実費を400万円ほどに押さえる事ができました。
「心家」は不定休で午前10時から午後10時まで開所します。夜は居酒屋として営業し、昼は子どもや母親たちが集えるスペースとして開放されています。居酒屋では、登米の農産物、南三陸の海産物など地元の食材を使ったメニューが提供されます。また「心家」にはシャワールームまで備えられており、外部から訪れたボランティア団体などが宿泊できる施設としての役割も期待されています。
とめタウンネットの理事長及川幾雄さんは「心家が支援する側される側に関わらず、この地域に住む人同士として交流できる場になれば」といいます。