避難者と地域の懸け橋に/さくらんぼくらぶ
NPO法人さくらんぼくらぶ(以下、さくらんぼくらぶ)は2003年から登米市佐沼で高齢者のデイサービスを行っている団体です。「祖母の介護がきっかけでこの世界に興味を持ち、デイサービスを始めました」と代表の熊谷由紀さん。
登米市には南三陸町からの避難者が生活する南方仮設住宅があります。さくらんぼくらぶでは2011年7月から南方仮設に住む高齢者を対象に生活支援(サロン活動)を定期的に実施してきています。当初はさくらんぼくらぶ敷地内のプレハブを使っての活動でしたが、2011年10月からは仮設住宅内の集会所を利用できることになりました。現在は毎週月・金の午後に開催しています。
仮設住宅内でのサロン開催のほか、外出型イベント「郷GO!!喫茶」(もともと敷地内のプレハブで行っていたサロン活動が形をかえたもの)を月に1度行っています。なじみのない土地に移り、外出の機会も少ない仮設住宅の高齢者に、花見、芋煮会、りんご狩り、運動会など季節に合わせた楽しみを提供してきました。
今年に入り、さくらんぼくらぶの仮設住宅支援は新たな段階に入ります。これまでリフレッシュ目的だった外出イベントですが、今後は地域住民との交流を深めることに重点を置く予定です。今年1月には仮設住宅に住む高齢者とともに登米市内の保育園を訪問しました。以前、逆に園児が仮設住宅を訪問することはありましたが、仮設住宅から出向くのは初めての試み。4月以降には、仮設住宅の人々に地域のゴミ拾いや町を知るためのウォーキングへの参加も呼び掛けていくつもりです。
支援を継続してくことは簡単ではありませんが、さくらんぼくらぶではスタッフ自身も楽しむことで前に進もうとしています。