誰もが暮らしやすい南三陸に/奏海の杜
奏海の杜は、障がい児・者の日中活動支援を中心に南三陸で活動する団体です。そもそもの団体結成の始まりは、震災における障がい者支援のために設立された「被災地障がい者センターみやぎ( 以下、センターみやぎ)」の県北地域を担当していた菊池正明さんが、県北地域の障がい児・者への物資支援を行っていた事にありました。その後、センターみやぎが現地( 南三陸) のスタッフを雇用することになり、現在の奏海の杜の中心メンバーが揃ったのでした。
活動から1年を経た頃には、地元住民からの要望に応える形で、仮設住宅の障がい児のお世話もするようになりました。夏休みには登米にある団体の事務所を利用しての預かりサービスも行いました。
団体の中心メンバーは、皆、南三陸町民ということもあり、地元に強い愛着を持ちながら、地道な、そして熱心な支援活動を続けていきました。こうした活動が実を結び、行政や住民からも徐々に信頼が集まり、南三陸町の公民館や福祉作業所を間借りしての放課後預かりサービスも可能になりました。
現在の団体の活動資金の大半は、東北関東大震災障害者救援本部からの支援によって成り立っています。そこで奏海の杜は、団体として自立した活動をすべく、NPO法人申請中です。(2013年1月現在)
法人となれば、すでに町から打診されている「日中一時支援事業」のほか、国による「放課後等デイサービス」のもと、現在の活動を事業化し、団体の活動費用を捻出する事ができるようになります。
「スタッフは素人同然からスタートして、今もまだまだ勉強中の日々。それでも、毎日の関わりを大切にして、いつか南三陸を障がいの有無に関係のない暮ら
しやすい地域にしたい」と事務局長の太齊京子さんは笑顔で話しました。